2020/10/24

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoにリモート参加しました。

ケースプレゼンテーションはT内先生。

1ケース目は矯正後に全ての歯をジルコニア セラミッククラウンで補綴したフルマウスリコンストラクションの素晴らしいケース。

2ケース目はインプラントが抜けてきてしまった患者さんのリカバリーケース。
インプラントは通常は問題なくくっつくのですが、何か問題があると一部、抜けてきてしまうことがあります。一度もくっつかずにすぐに抜けてきてしまう早期失敗の場合や、一度くっついたのに何年かして取れてくる場合もあります。

その原因は
1 プラーク(歯磨き不足)
2 糖尿病や骨粗鬆症などの病気
3 タバコ
4 オーバーロード(はぎしりや噛み締めなどの過剰な力)
5 チタンのエージング(経年劣化)
6 ドリリング時のオーバーヒーティング
7 骨が硬すぎたり、柔らかすぎる場合

などが考えられますが、
今回のケースでは、タバコとプラークとオーバーロードが絡み合った原因と考えられました。

やはり喫煙者にはインプラント治療は向いていない様です。



2020/10/17

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoにリモート参加しました。

論文抄読1本目は 

Digital protocol for creating a virtual gingiva adjacent to teeth with subgingival dental preparations

Rubén Agustín-Panadero

被せ物を作る際、今まではどろっとした型とり材をお口の中に挿入して歯型をとって作成していました。最新型では小型高性能カメラでお口の中を撮影して歯型をデジタルで撮影して作れる様になりました。欠点としては歯茎の中の方まで撮影できないため、前歯には向いていませんでした。それを改善する1手法の論文です。

まだまだ改善の余地がありそうです。


2本目は 

Effect of scan pattern on complete-arch scans with 4 digital

scanners

Jason Latham

これも同じく口腔内スキャナー4製品の性能を比較検討した論文でした。

各社ともだいぶ精度が上がってきていいのですが、歯肉縁下や金属、歯茎の撮影に弱い傾向があり、もう少し改善が必要な感じがしました。





2020/10/10

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoにリモート参加しました。

担当はN掘先生で論文のレビューでした。 

Occlusal trauma and excessive occlusal forces: Narrative review, case definitions, and diagnostic considerations

Jingyuan Fan Department of Periodontics, Eastman Institute for Oral Health, University of Rochester, Rochester, NY, USA


ニューヨークのロチェスター大学の論文で力がかかりすぎると歯周病が起きるのかを調べた論文です。

歯周病の原因はプラーク(細菌)なのは間違いありませんが、昔から力がかかりすぎるのも原因ではないかと疑われてきました。

いろいろな実験がなされましたが、今では否定的な意見が多いです。

力だけでは基本的に歯周病は起きません。

もし起きるのなら、歯に力をかけて移動させる矯正患者さんは全員歯周病になるはずですが、そんなことはありません。

Conclusions

動物、ヒト双方の研究から咬合性外傷あるいは咬合の不一致と歯周病の進行になんらかの関係があることが示されている。しかしながら、全ての研究者は過剰な咬合力が歯周病を発症させたり付着の喪失をもたらすとは考えていない。最近の研究でもこの点は支持されている。また、現状では過剰な咬合力がabfractionや歯肉退縮を引き起こすとするエビデンスは存在しない。