2021/09/18

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoにリモート参加しました。

論文抄読は 

Antibacterial Activity of Curcumin

Against Periodontopathic Bacteria

Shusuke Izui


大阪大学の泉井先生が開発されたウコンの歯磨き粉が歯周病に効果があるのかを調べた論文です。


歯磨き粉はどの製品を使っても、明らかに歯周病に効果に差が出たという論文はありません。


多少の違いはありますが、統計的な有意差(明らかな差)は出ません。


ウコン(カレー粉))に含まれるクルクミンを配合した歯磨き粉、クルクリンPGガードの効果はどうでしょうか。

シャーレレベル(in vitro)ではある程度以上の濃度(10ppm)があると歯周病菌(P.G菌)を殺菌することがわかりました。

歯周病の方は使ってみてもいいかもしれませんが、実際の効果は未知数です。

定価1650円です。

歯ブラシが黄色くなります。


ただ、厳しい見方をすれば、シャーレ上で実験すれば塩でも砂糖でも、お酢でもある濃度以上で殺菌効果は出てしまいます。

人間(in vivo)でランダム化したコントロール群があって何もつけないグループと比較して有意差が出た論文ではありませんので、エビデンスレベルとしては低い論文です。

クルクミンが含まれるカレーをよく食べるインド人に歯周病が少ないかといわれれば、そんなことはありません。

歯磨き粉はつけなくても歯周病に関しては効果に差はほぼありませんので、+αの効果に1650円出せる方は、試しに使ってみてもいいかもしれません。

今後のさらなる研究結果を見守りたいと思います。












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