2018/12/08

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoに参加して来ました。


論文抄読1本目は

Mean annual attachment, bone level, and tooth loss: A systematic review
Ian Needleman1

人は歯周病になると歯茎や骨が痩せて歯が抜けてしまいます。

骨が痩せることを専門用語でアタッチメントロスと言います。

アタッチメントロスが歯根の長さ12mmほど起きるとはの周りを支える骨が

なくなってしまうので歯は抜けてしまいます。

そのアタッチメントロスが世界中でどのくらいのスピードで起きるのかを調べた論文で

年平均0.1mm進むとわかりました。

通常であればこのくらいのゆっくりとしたスピードでしか、

進行しないため問題ありません。

10年で1mmですから。

このデータはアメリカやヨーロッパではデータがよく、中国やスリランカではデータが悪かった。

デンタルIQや都市部か地方かで歯磨き具合が変わるのかもしれません。

一方、歯を失う本数は年平均0.2本で、これは人種差はありませんでした。




2本目は私が担当でした。 

Age-dependent distribution of periodontitis in two countries: Findings from NHANES 2009 to 2014 and SHIP-TREND 2008 to 2012
Monisha Billings

歳をとった人ほど歯周病になりやすい傾向がありますが、

歳をとれば全員なるわけではありません。

加齢と歯周病の関係を調べるために、大規模調査を行なった

アメリカとドイツのコホート研究を比較した論文です。

30歳以上のアメリカ人10713人とドイツ人3071人の歯周ポケットと歯肉退縮量を測り

アタッチメントロスの値を計算し、年齢分布を作成しました。

その結果、大部分の方(80%)は年齢を重ねても正常値で

一部の方(20%)が若い頃から進行した歯周病があることがわかりました。

ただ、データから無歯顎者を除外しているので、歯が全くない人が多いアメリカでは

相対的にいいデータになってしまっています。

残っている歯でデータを取るため、悪い歯をすぐに抜いてしまうアメリカでは

残っている歯はいい歯ばっかりになってしまうからです。












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