2013/08/01

論文の真偽 〜ディオバン問題〜

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です

降圧剤ディオバンで問題になっている論文捏造疑惑

皆さんはどうお考えでしょうか

医療従事者にとって医療論文は治療方法、投薬方法を決定するとても大事なものです

世の中には数多くの論文があり、とてもいい論文もあれば、

??な、いい加減な論文も一部にあります

製薬会社が関与した論文は、都合が悪い部分は隠して、

都合がいい部分だけをクローズアップする傾向にある事は一般的でしょう

自社製品を売りたい訳ですから、当然といえば当然です

では我々がどういう論文を信じて、どういう論文は信じてはいけないのか

一般的にはそのお薬の効果が一つの調査期間で出た論文ではなく

世界中の色々な国、大学で同じような調査をして同じような有効性が確認されて

初めてその薬は効果があると判断できます


また論文を読む際は批判的に読む事が大切です

嘘が書いてある物として疑って読むのです

ある程度のデータ捏造はよく読めば見抜けます

それでも問題ない論文は信じていい論文かもしれません



また、日頃論文を読み慣れていない方にとっては真偽は判断しにくいので

各論文にはランク付けがなされています 




Evidence Level 1  :少なくとも1つのランダム化比較試験(RCT)を含む論文
Evidence Level2-1 :良くデザインされた非ランダム化比較試験を含む論文
Evidence Level2-2 :良くデザインされた1つ以上のセンター、リサーチグループによるコホート研究かケースコントロール分析研究
Evidence Level2-3 :非実験研究(観察研究など)
Evidence Level 3   : 専門家による報告や意見、権威者の経験

つまり、Level1の方が信憑性が高くて、3が低いということになります


また、論文掲載雑誌のランクも重要です Natureなどの超一流雑誌に論文が載る事は

大変難しく、編集者の厳しい審査が待っているので雑誌の種類でもある程度判断できます

新聞でいうと東スポの記事はあまり信じられないのと似ていますかね


また一人で論文を読むと見落とすことがあるので、仲間と一緒に読んでディスカッション

するといいです

どこかしらの勉強家に所属して、論文抄読会を行い多くの論文を読む事で

真偽を見分けられる目を養う事ができます



我々医療従事者は常に真実が何かを突き止める鋭い観察眼と、読解力が求められます

一部のいい加減な論文、薬、製品にだまされないように

日々鍛錬をしていかなくてはなりません







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