2016/07/13

フルジルコニアクラウンの制作過程 FCZ Crown: Full Contour Zirconia Crown ,KATANA

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

オールセラミッククラウンという金属を使わない被せ物の中でも

特に強度が強いフルジルコニアクラウンの作製工程をみてみましょう。

患者さんの中には、なぜ被せ物を作るのにそんなに時間がかかるのか

不思議に思う方もいると思います。

全てオーダーメードで、専門の職人さんが丹誠込めて作り上げるので

どうしても時間がかかってしまうのです。

少しでもその大変さを理解して頂きたくて、記事にしてみました。

左上5番の銀歯を白くしたくて来院されました。咬合力がやや強い方でしたので
強度を最優先した、フルジルコニアクラウンを作製する事にしました。
金属を外して形を整え
歯肉圧排して型を取り
石膏模型を作製してから、咬合器にマウントします。
作業模型をスキャンしてデジタルデータにして
対合模型もスキャンします。
パソコン上でもマウントして
パソコン上で歯の形を設計します。


溝の形、コンタクトのキツさ、セメントスペースの量なども設定できます。以前のように手作業で彫刻する必要はありません。デジタル時代は凄いですね。




設計が決まったらミリングマシンにジルコニアブロックを削りだしてもらいます。
チュインチュイン歯の形に削っております。
削り終わりました。
拡大図
この段階ではまだチョーク状で柔らかく、落とせば割れてしまいます。大きさも21%ほど大きい状態です。
一晩かけて高温でシンタリングし硬くします。
一回り収縮して、カチカチに硬くなりました。もう踏んでも割れません。
模型に戻るように微調整します。
噛み合わせの調整をしてから
ステイニングといって、絵の具のようなもので自然にみえるように色を付けていきます。
グレーズ焼成して熱を入れます。
焼成する事でツルツルになり、色も焼き付けられます。
更に研磨して完成です。
綺麗にできました。
より自然にみえるように、グラデーションをつけてあります。金属は使用していないので金属アレルギーの心配もありません。
お口の中で接着剤で装着したら終了です。
透明感はやや欠けますが、強度はかなりありますので
欠けたり割れたりすることはほぼありません。
奥歯に適した材料といえるでしょう。


既成品のスーツとオーダーメイドのスーツでは、作製期間も費用もサイズ感も違います。
靴や、眼鏡でも同じでしょう。
歯は既製品で作る事ができないので、全て専門の資格を持つ熟練の技工士さんが
一つ一つ丹誠込めて、細かいところまで仕上げてフルオーダーメイドで作製しますので
どうしても作製にある程度の時間と費用がかかってしまいます。
多少はご理解頂けましたら幸いでございます。

























0 件のコメント:

コメントを投稿