2016/07/02

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoに参加してきました。


論文抄読1本目は 


Do periodontopathogens disappear after full-mouth tooth extraction?
Van Assche N, Van Essche M, Pauwels M, Teughels W, Quirynen M. Do periodontopathogens disappear after full-mouth tooth extraction? J Clin Periodontol 2009; 36: 1043–1047. doi: 10.1111/j.1600-051X.2009.01477.x

重度歯周炎患者さんの歯を全て抜歯すると、歯周病菌はいなくなるのかどうかを調べた論文。

腸内フローラのように口内フローラがあり、口腔内細菌叢はある一定の割合で細菌が

お口に中に住み着いていると考えられており、従来は全て抜歯すれば、

細菌はいなくなると考えられていましたが、最近の研究では大きく減るものの

ゼロにはならない事が分かって来ました。





2本目は 

Microbial changes after full- mouth tooth extraction, followed by 2-stage implant placement
Quirynen M, Van Assche N. Microbial changes after full-mouth tooth extraction, followed by 2-stage implant placement. J Clin Peridontol 2011; 38: 581–589. doi: 10.1111/j.1600-051X.2011.01728.x. 

全て抜歯するしかない患者さんにインプラントをすると細菌叢はどのように変化するのかを調査した論文。

こちらも細菌数はかなり減るが死滅する事はなく、

とくに酸素があるとあまり生きていけない嫌気性菌は大幅に一端減るが、

インプラントが入るとまた嫌気的な環境が出来上がってしまうので、

復活してしまうようである。

細菌の世界は実に奥が深いですね。




A.a菌のような通性嫌気性菌は酸素に触れても生きていけるので、抜歯前も抜歯後もインプラント後もあまり変わらない。

P.g菌のような偏性嫌気性菌は酸素があると死んでしまうので、抜歯すると大幅に減少するが、ゼロにはならない。


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