2020/06/06

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です。

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyoにオンラインでリモート参加しました。

論文抄読1本目は 

Multi-center intervention study on glycohemoglobin (HbA1c) and serum, high-sensitivity CRP (hs-CRP) after local anti- infectious periodontal treatment in type 2 diabetic patients with periodontal disease
S. Katagiri a


大学の後輩が書いた論文で、歯周病の治療をしっかりすると、糖尿病は改善するのかを調べたものです。

糖尿病と歯周病は密接な関係があり、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し、糖尿病が改善されると歯周病も改善されるといわれています。

49人の数値の安定した糖尿病患者さんを、歯周病治療をしたグループとしないグループにランダムに分けて、HbA1Cという糖尿病の進行度を表す数値を比較しました。

その結果-0.24%数値が下がり、歯周病治療だけしても糖尿病が少し改善することがわかりました。

他にも2013年のLiewの研究では-0.64%
2013年のCorbellaの研究では-0.65%
2013年のEngebrestonの研究では-0.36%
2015年のSimpsonの研究では-0.29%
改善しているので、やはり歯周病の治療を歯科医院でしっかり行うと
糖尿病も少し改善するので、糖尿病患者さんにとってはお薬が減らせたり、医療費を削減できたり、体調が改善したりいいことがあるようです。




2本目は
Effect of glycemic control on periodontitis in
type 2 diabetic patients with periodontal
disease
Sayaka Katagiri1
同じ後輩の論文で、逆です。
糖尿病患者さんが糖尿病の治療をすると歯周病が治るのかを調べた論文。

35人の糖尿病患者さんを歯科治療はなにもしないで糖尿病の治療(運動療法、食事療法、投薬治療)をしたところBOPという歯茎からの出血が減ったことがわかりました。歯茎の炎症が改善したということは歯周病の進行を遅らせることができるということです。
ただし、歯周ポケットは減らなかったので、やはり通常の歯科治療もぜひ受けた方がいいでしょう。


ということで糖尿病がある患者さんは糖尿病の治療も歯周病の治療もしっかり並行して受けると効果が高まるようです。
どちらも慢性疾患なので長丁場になりやすい疾患ですが、ぜひ頑張って治療していきましょう。




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