2013/03/30

本日のお花 Today's flower

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です

今回のお花は春らしいチューリップとかすみ草

当院では少しでも治療中のストレスが癒されるよう

生花を置くようにしております



2013/03/27

総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜No9


第9回 総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜
上顎の埋没、填入、重合

続いて赤いロウの部分をレジン(PMMA)という材料で
入れ歯の歯茎の部分を交換していく作業です

ポストダムを掘ります
総義歯が落ちてこないのは吸盤のように空気を抜いて真空状態を作っているからです
上顎の場合、後縁がどうしても空気が入りやすいため
漏れにくいように少し模型上で山2つの形に削ります
硬い部分歯槽堤と口蓋隆起を避けるとこのような形になります


硬い部分を厚くすると痛いので柔らかい部分でポストダムを掘ります
この部分は小唾液腺の開口部で柔らかいので
多少押しても痛くありません

保険はフラスコで埋没させる方法でつくりますが
自費の場合は流し込み法で填入します
レジンは固まる際にどうしても数%収縮変形してしまいます
流し込み法の利点はレジンの重合収縮分を填入しながら行う事で
かなり変形の少ない入れ歯が作れる事です
作り方はその分複雑で難しいのですが、義歯の調整量が少なくて済みます
入り口と出口を作り


シリコンパテで覆います

固まったらインデックスを外して

気泡が入っていないか確認します

人工歯を外して、インデックスの方にはめ込みます

所定の位置までしっかりはまっているか確認します
人工歯の裏側はこんな風になっているんですねえ
普段、患者さんは見る事がない映像です

レジンを流し込みつつ重合させていきます
レジンの重合収縮を解決した画期的な方法です

完全硬化したらインデックスを外します
これでピンクの部分はロウからレジンに置き換わりました

気泡も入らずにきれいに重合できました


つづく

2013/03/23

ISCT西堀勉強会 Inter-disciplinary Study Club Tokyo

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です


ISCT西堀勉強会に出席してきました


今回の担当は小田原でご開業のN先生

毎回遠くから新幹線で勉強会に参加しているとてもまじめな先生です

テーマは侵襲性歯周炎(Aggressive Periodontitis)という

短期間で一気にアタッチメントロス(骨吸収)が起きてしまう、

体質や遺伝と関わりのあるちょっと厄介な歯周炎の2症例でした

通常の歯周初期治療に加えて細菌検査、抗生剤の全身投与、再生療法と盛りだくさんの

内容でした

花粉症も少しの花粉でクシャミが止まらない人も入れば、

たくさん花粉が飛んでいても大丈夫な人もいます

歯周病も同じで少しの細菌しかいなくても悪化してしまう方もいれば

たくさん細菌がいてもアタッチメントロスが起きない方もいます

体質とかホスト(宿主)の問題が深く関係しています

侵襲性歯周炎は体質的なものなので治りにくいですがそれでも

歯垢や歯石を極力なくせば、進行を遅らせる事はできます

大変難しい症例でしたが、お見事でした



2013/03/18

総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜No9


第9回 総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜
人工歯試適


咬合器上で並べた歯が本当に口腔内でも合っているかを
チェックする為に、患者さんのお口の中で直接歯並びをチェックします

患者さんが気になる歯の色、形はもちろんの事
前歯の出っ張り具合、引っ込め具合
咬合平面が瞳孔間線とあっているか
アーチが広すぎず狭すぎず舌をじゃませずに並んでいるか
等をチェックして必要があればその場で修正します


横から見て鼻のてっぺんとオトガイを結んだ線を
Eラインといいます
そのライン上に上口唇、下口唇がくるといいといわれています
出っ歯具合はいいですね
正面から見ると少し下口唇のウエットラインが見えています
少し咬合高径が高いです

少し笑ったところ
歯茎が見え過ぎなので少し上の歯を上に移動させましょう
Gummy smileになってしまっています

右斜めからみたり


左斜めからみたりして
歯が全部あった頃を想像して歯の位置を修正します


次回へ続く

2013/03/15

本日のお花 TODAY'S FLOWER

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です

今回のお花はレインボーカラーのチューリップ

春らしい彩りになっております

このチューリップよく見るとおしべもちゃんと色がついています

どうやって染めるのか不思議ですね








2013/03/13

浦和レッズ戦 AFC Champions League URAWA REDS V.S. SCG Muangthong United 4-1 SAITAMA STADIUM 2013/3/12

お休みでしたのでアジアチャンピオンズリーグにさいスタまでいって参りました

久しぶりのACL

そしてACLホーム開幕戦とあってとても楽しみにしていました

結果は4−1で勝利

たいへん気分のいい一日となりました

さいスタは赤くライトアップされていました
何だかかっこいいです

試合直前恒例のスプリンクラー
芝を濡らしてボールが転がりやすくパスが通りやすくする働きが
あるそうです

相手はタイの強豪 ムアントンユナイテッド
何でもタイリーグを無敗で終えたそうです

さいスタの時計がアナログ+デジタル表示に変わってみやすくなっていました
オーロラビジョンもクリアで観やすい画面に変わっていました

本日のスタメン
移籍組が4人出場

ミシャ監督も試合中は杖なしで歩けるようになって嬉しいです

試合はコートの片面にほぼ全選手が収まることが多かったです
相手が引き気味だったのと浦和のDFが高い位置に押し上げていました
攻撃の起点は今やDFのようです

平日でも2万人のサポが集結していました

ACL用ユニフォームには日の丸が入りました
星がもう一つ増える事を願います

試合は4−1で勝利
新加入の関口選手は一番走っていたのではないでしょうか
献身的な上がりに何度も好機を演出していて上手い選手だなあと感心しました
新規加入組もかなりチームにとけ込んで
今後が更に楽しみないい試合でした
柏木選手がホームは全試合負けないつもりです
と宣言してくれたのも頼もしかったです

2013/03/09

AO アメリカインプラント学会2013 Academy of Osseintegration

こんにちは さいたま市なると歯科院長の小林成人です

毎年3月にアメリカインプラント学会が開催されます

今年の会場は大リーグのキャンプ地で有名なフロリダ州タンパ

参加したかったのですが、今年は泣く泣く断念

世界のトップクラスのインプラントロジストの話が

生で体感できるので大変貴重な機会です

世界で話題になっているトピックスは何なのか

最新の知識にアップデートできます

ぜひ来年のシアトルには参加したいです

しかし今は便利なネット社会

日本にいながら、一部の講演をネット配信でみられてしまうのです

朝早く起床して生放送を観ていました

便利な世の中ですね






2013/03/07

総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜No8


第8回 総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜
人工歯排列


咬合器にマウントしたら、人工の歯を1本1本並べていきます

歯は全部で28本あるのですが、28本セットで並んでいる歯がS,M,Lあって

それをいっぺんに配置しておしまい

という事ができるといいのですが、総義歯は全てオーダーメイド

患者さんによって舌の大きさが違い、顎堤の大きさが違い

唇の長さ、筋肉の長さ、上下の顎のバランスの違い

全て違います

よって既製品では対応できないのです


余談ですが、インドではご遺体を川に流す習慣があり、ご遺体から総義歯を

外して、路面で売っているそうです

自分でいくつかはめてみて合いそうなものを買うらしいのですが

当然ぴったり合う事はあり得ませんので、修理して使うのでしょう

義歯はほんの少しでも合わないと凄く痛くて噛めないので、

にわかには信じがたい話ですね






前歯の人工歯
1本1本離れています


奥歯の人工歯
咬合器にマウントした作業用模型
正中(体の真ん中のライン)
口唇のラインが記入されています

犬歯を並べる参考にします




最初に並べる歯は上の前歯
上顎中切歯です
どの程度出したり引っ込めたりするかは咬合床でみてあるので
そのガイド通りの置きます

前歯6本並べ終わりました
赤い部分はロウでできているのでスパチュラを熱して
蝋を溶かし1本1本焼き付けていきます
人工歯はこのままこれを使いますが
ロウの部分は最終的にはピンク色のレジンに置き換えます

人工歯には大きさ、形態、色、メーカー、硬さによって
色々なものがあります

2番目は少し引っ込めて少し短めに並べるとかっこいいです
3番目はもう少し近心傾斜させた方が、しまりますね
舌の前歯も並べましょう
この方はclassⅠなので,通常通り上と噛ませます
下顎前突のⅢ級や上顎前突のⅡ級だと
どう並べるか色々と考えなくてはなりません


下の前歯も並べました

次は下の4番、第一小臼歯を並べます
下顎は舌が動いて邪魔するので、並べられるスペースに限りがあります
あまり内側に並べてしまうと舌が入らずに、舌後退位になってしまい
入れ歯が浮き上がりやすくなってしまいます
あまり外側に並べると唇やほっぺたに当たってしまいやはり入れ歯が浮き上がりやすく
ほっぺたを噛みやすい入れ歯になってしまいます
よって条件のより厳しい下顎奥歯を先に並べます

バランスドオクルージョンで仕上げるため少し湾曲をつけて配列します
スピーの湾曲といいます
総義歯独自の並べ方で、クラウンブリッジや矯正ではやりません

下顎14本が全て並びました



続けて上顎6番第一第臼歯を並べます
咀嚼の上で最も大事なのが6番
大部分の方はこの6番メインで咀嚼しますので
きちんと1級関係になるように山(カスプ)と谷(フォッサ)
を噛ませます

反対側も同じように噛ませます




咬合様式には様々ありますが
総義歯でよく使われるのがフルバランスドオクルージョンとリンガライズドオクルージョン
今回は私が総義歯で第一選択にしているリンガライズドオクルージョンで仕上げました







次回試適につづく