第8回 総義歯ができるまで 〜自費レジン床総義歯作製工程〜
人工歯排列
咬合器にマウントしたら、人工の歯を1本1本並べていきます
歯は全部で28本あるのですが、28本セットで並んでいる歯がS,M,Lあって
それをいっぺんに配置しておしまい
という事ができるといいのですが、総義歯は全てオーダーメイド
患者さんによって舌の大きさが違い、顎堤の大きさが違い
唇の長さ、筋肉の長さ、上下の顎のバランスの違い
全て違います
よって既製品では対応できないのです
余談ですが、インドではご遺体を川に流す習慣があり、ご遺体から総義歯を
外して、路面で売っているそうです
自分でいくつかはめてみて合いそうなものを買うらしいのですが
当然ぴったり合う事はあり得ませんので、修理して使うのでしょう
義歯はほんの少しでも合わないと凄く痛くて噛めないので、
にわかには信じがたい話ですね
前歯の人工歯 1本1本離れています |
奥歯の人工歯 |
咬合器にマウントした作業用模型 正中(体の真ん中のライン) 口唇のラインが記入されています |
犬歯を並べる参考にします |
最初に並べる歯は上の前歯 上顎中切歯です どの程度出したり引っ込めたりするかは咬合床でみてあるので そのガイド通りの置きます |
前歯6本並べ終わりました 赤い部分はロウでできているのでスパチュラを熱して 蝋を溶かし1本1本焼き付けていきます 人工歯はこのままこれを使いますが ロウの部分は最終的にはピンク色のレジンに置き換えます |
人工歯には大きさ、形態、色、メーカー、硬さによって 色々なものがあります |
2番目は少し引っ込めて少し短めに並べるとかっこいいです 3番目はもう少し近心傾斜させた方が、しまりますね |
下の前歯も並べました |
次は下の4番、第一小臼歯を並べます 下顎は舌が動いて邪魔するので、並べられるスペースに限りがあります あまり内側に並べてしまうと舌が入らずに、舌後退位になってしまい 入れ歯が浮き上がりやすくなってしまいます あまり外側に並べると唇やほっぺたに当たってしまいやはり入れ歯が浮き上がりやすく ほっぺたを噛みやすい入れ歯になってしまいます よって条件のより厳しい下顎奥歯を先に並べます |
バランスドオクルージョンで仕上げるため少し湾曲をつけて配列します スピーの湾曲といいます 総義歯独自の並べ方で、クラウンブリッジや矯正ではやりません |
下顎14本が全て並びました |
続けて上顎6番第一第臼歯を並べます 咀嚼の上で最も大事なのが6番 大部分の方はこの6番メインで咀嚼しますので きちんと1級関係になるように山(カスプ)と谷(フォッサ) を噛ませます |
反対側も同じように噛ませます |
咬合様式には様々ありますが 総義歯でよく使われるのがフルバランスドオクルージョンとリンガライズドオクルージョン 今回は私が総義歯で第一選択にしているリンガライズドオクルージョンで仕上げました |
次回試適につづく
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